英語が“話せる”アウトプット学習ロードマップ

― 読める・聞けるから、“伝えられる”英語へ ―

はじめに 大学受験やTOEICの勉強だけでは話せない理由

「大学受験勉強で1日8時間以上勉強したのに、思ったように英語が出てこない」「TOEICは600点以上あるのに、英語が話せない」

これは、英語学習者の中でも特に真面目に努力してきた人たちが陥りやすい大きな壁です。
読む・聞くには困らない。でも、いざ話す・書くとなると、言葉が出てこない。

それはあなたの英語力が足りないのではなく、"アウトプットの練習環境がなかった"だけ。

読む・聞く中心の受験英語でインプットの型は身についていても、 実際に使う「伝える」練習が圧倒的に足りていないのです。

そして、"伝える力"を育てるためには、ただ話す場に出るのではなく、 順序立てたアウトプット練習のステップが必要です。

本記事では、私自身の経験を踏まえて、TOEIC600〜800点の基礎力があるあなたが、 これから英語を“使える力”へと育てていくためのロードマップを紹介します。

アウトプット型英語学習の全体像(準備フェーズ+5ステップ)

要チェック

まず押さえたい! アウトプットの前に必要な準備

多くの人がアウトプット学習に入る前に感じる壁。 「言いたいことが出てこない」「日本語で考えすぎて詰まる」

その原因のひとつは、英語で思考するための土台(準備フェーズ)が抜けていることにあります。

そこで、STEP1に入る前に取り組むべきフェーズをご紹介します。(→完璧でなくても60%程度できていればひとまずスキップしてSTEP1へ行きましょう!並行してやればOK)

準備編:日本語を介さず「英語で考える」練習を始める

メモ

  • 写真やイラストと英単語をリンクさせて覚える
  • 語源やその単語が持つイメージをふんわりと理解する
  • フレーズはフレーズとして覚える(詳細まで日本語に訳す必要ない)

目的:頭の中の声を英語にする癖をつけ、日本語変換を減らす

英単語帳の基本的な構成は、覚えたい英単語とその日本語訳が対になっていることが一般的かと思います。

母国語ではない言語を学習するにあたって日本語の介在は一定程度避けては通れないですが、意識的に英語をそのまま英語で理解することも大切と私は感じています。

実際に、学生時代から私の英単語帳にはその単語を表すイラストを描いたり、Google Images等を利用して日本語訳を介せずに単語学習をおこなったりしました。

また、1つの英単語に英語で類義語や対義語を紐づけて覚えることや接頭語・接尾語(preやable等)をチェックしたり語源を調べたり(ラテン語由来で関連させると覚えやすかったりします。が、全部見る必要はないのでnice-to-haveでOK)も有効的だと思います。

フレーズはフレーズとして覚える、というのはHow is it going?(調子はどう?)というフレーズを分解して一つひとつ日本語訳するのではなく、ひとまとまりとして蓄積させるということを指しています。
これはあくまでも一例でしたが、汎用性の高い頻出フレーズは音のまま覚えてどんどん使っていきましょう。

英語ペラペラへの道:5ステップで進めるアウトプット学習法

STEP1:「使える英語」のインプットで“素材”を増やす

メモ

  • 大学受験や資格試験勉強で暗記した単語よりも、実際に使う頻出表現や例文を蓄積させる

  • フレーズ単位で覚えて、シャドーイング・オーバーラッピングで口に出す

  • 例:「I guess so.」「Let me see...」「It depends.」などの“使える一言”を蓄積

目的:英語で発信するための“引き出し”を作る

話せるようになるにはひたすらアウトプットなのでは?と思うかもしれませんが、私は第一段階としてインプットも重要と考えています。

インプットは言語学習にとって永遠の課題なので終わりなき旅です。なので完璧を目指すのではなく、並行して継続学習するというマインドが大切です。

重要なのはインプットの段階からアウトプット(実際に活用)することを意識すること。単に暗記をしても中々アウトプットにはつながってきません。

大学受験等で覚えた単語はそのままでは実践に使いにくい状態かもしれませんが、使うことを意識して復習すると非常に有用なボキャブラリーとなり武器となります。

また、単語帳には必ずと言って良いほど例文が載っているかと思います。単語帳を使う際には、「単語」を覚えるのではなく実際の使用シーンを想定して例文からフレーズ単位で抜粋することがベターです。

加えて、類義語や対義語も載っているかと思いますので併せてチェックしてイメージを膨らませるとアウトプットのための単語学習となっておすすめです。

私が高校生の時に使っていたシステム英単語は例文よりもさらに短いフレーズで覚えることができる設計だったので非常に使いやすかったです。卒業後もボロボロになるまで繰り返し使いました。

STEP2:英語で書く ― 英語日記・メモで“自分の言葉”を作る

メモ

  • 毎日1〜2行の簡単な英語日記からスタート(例:"I worked overtime today. It was exhausting.")
  • 書くテーマ例:仕事のこと・週末の予定・1日を振り返って感じたこと
  • ポイントは「伝えたいこと」から始めて、完璧な文法は気にしないこと
  • 必ずしも完全な文でなくても良い。シーンを連想するような単語を書き出すのもGOOD
  • 次のSTEPに繋げる土台の構築という位置付けでもあることを意識する

効果:英語で“自分のことを伝える”基礎を育てる

これまでインプットした知識をもとに、まずは肩肘張らずに書いてみましょう。

「書く」となると創造力や英作文能力が必要と感じて抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、STEP1の段階では、難しいことは気にせずにとにかく目に見える形にすることが目的です。
間違えることは、恥ずかしいことでも失敗でもなく、今後の成長に必要不可欠なものなのでこのフェーズで見える化しましょう。

英語日記やシーン毎のメモを書いてみましょう

英語日記

I visited Yamanashi prefecture on a business trip today.
The cherry blossoms weren’t full but the express train was fully occupied.

シーン(通勤)

  • commute(通勤する)
  • packed(満員の)
  • delayed(遅れた)
  • zoned out(ぼーっとする)

英語日記では、通勤・通学時に見たことや感じたこと、仕事に関することや週末の予定等の身近な題材が最も書きやすいと思います。

私も実際に英語日記を書く過程で感じたことですが、簡単なこと(小学生が書くようなレベル)でも案外英語で表現しようとすると難しいですよね。

でも、「言いたことが上手く表現できない」というストレスを感じることは英語学習者にとって正常な反応なので問題ありません。

ポイントは、自分が表現したいことを書こうとすることです。心地いい表現(すらすら書けるような単語や文法)ばかりでは成長しません。
そしてもっと大切なことは、この段階で正解を書き出せなくても全然OKということです。

STEP1でフレーズの引き出しを作ったかと思います。
「書く」は「話す」と比較した際に時間的なプレッシャーがありません。つまり考える時間はたくさんあります。
それにもかかわらず、思うように表現できないということはどのような理由が考えられるでしょうか。

英語で書けない理由を分析

  1. 頭では理解できているがスペルが分からない
  2. 英単語やフレーズのボキャブラリーが不足している
  3. 英文法の基本理解が不足している
  4. 自分が言いたいことに適した英文法知識と構文のストックが無い

今回、ゴールを「話せるようになること」に設定しているのでスペルの部分は考えないとした場合に、その他3パターンが想定できます。

それぞれの課題をクリアすることで豊かな表現力に繋がり、ペラペラ英語へと近づくことになります。

STEP3:音読・暗唱でスピーキングに変換する

メモ

  • 書いた英語日記を音読 → 言えるようになるまで繰り返し練習
  • 短いフレーズから少しずつ暗唱 → 自然なフレーズが口から出るように
  • 発音やリズムも意識しながら録音してセルフチェック

効果・目的:“書ける英語”を“話せる英語”に変える

STEP3では、実際に「声に出す」というフェーズへと移行します。

これまでインプットした知識と文字ベースでアウトプットした材料をもとに声に出してみましょう。

学習のゴールを「英語ペラペラ」に設定した場合に、「正確な発音で」「すらすらと」話すという要素が必要になります。

ということで、STEP2までのインプット&アウトプット(書く)をベースに繰り返し練習していきましょう。

この段階では頭を使って英語で考えるというよりはむしろ、正しい音やリズムで発音するための練習という位置付けで良いです。

もし、単語の発音が分からなければ発音記号や Google検索等で調べることができます。

STEP4:実践の場に出て試す

メモ

  • 独り言・オンライン英会話・英語SNS投稿・言語交換などの場を活用
  • 書いた英語日記やシーン毎のメモを元に話す→テーマがあるから緊張しづらい

効果:“練習した英語”を“使える英語”に定着させる

STEP4は実際に声に出してアウトプットしながら学習していくフェーズとなります。

とはいってもここまで段階を踏んできていますので、焦らずstep by stepで進めていけば大丈夫です。

ここで1点、気をつけたいことはSTEP3の音読や暗唱とは明確に異なるということです。

何が違うかというと以下の通りです。

Step3と4の違い

【STEP3】手元にあるスクリプト(英語日記や単語帳)を音読している

【STEP4】構築した自身の引き出しから、適したフレーズや表現を引っ張り出してくる

これらの違いを意識するだけで学習の効率と手応えが全く変わってきます。

私の実体験なのですが、学生時代は単語帳の例文を正しい発音ですらすらと音読することはできていました。
一方で、いざ「自分で考えたことや感じたことを話そう」とすると英語が途端に出てこないという現象に陥りました。
あんなに音読してすらすら言えるようになったのにどうしてだろう?と疑問に思うと同時に非常に自信をなくしてしまったのです。

今振り返ると、あの時は「音読の練習」はしていたけれど「自分の頭で考えて(引き出しを開けて)話す練習」をしていなかったのだと分かりました。

この大きな勘違いが遠回りになってしまうかと思いますので共有させていただきました。

 

では、このSTEP4で何をしたらいいかというと以下のように順を追っていくと進めやすいです。

ポイント

  1. ひとり言(録音あり/なし)
  2. AIチェック
  3. オンライン英会話

ひとり言は、いつでもどこでも無料でできる点が非常に魅力的です。

シーンを設定して、スピーチ形式や会話形式で取り組んでみましょう。

ポイントは間違いを気にせず、これまで学習してきた英単語やフレーズ、英文法の知識を存分に引き出してチャレンジしてみることです。

インプットしてきたものを適切なタイミングで速やかに脳から引き出すというのは非常にチャレンジングなことなので、上手くいかないことのほうが多いかと思います。

でも大丈夫。出来ること(得意な言い回し)を伸ばしながら、苦手な文法やフレーズを再認識することで次の学習に繋げることができます。

毎回する必要はありませんが、録音することでセルフチェックができますので非常にオススメです。

 

AIチェックは、間違いのチェックやパラフレーズ(言い換え)に便利です。

ChatGPT等を活用することで音声で添削を受けることができますので英語学習の強い味方となります。

一方で、注意点としては、日本語→英語で翻訳ツールとして使うと本STEP4の効果としては期待できません。

あくまでも、AIを相手に見立てて話しかけるというような使い方をここでは推奨したいと思います。

 

オンライン英会話は、少しハードルが高いと思う方もいらっしゃるかと思います。
そして、逆にオンライン英会話をやれば話せるようになるだろうと思う方も同数いると思います。
私もそうでした。が、どちらも違っていました。

しかし、どちらも正しい考え方のもとオンライン英会話を活用することで飛躍的にゴール(=英語ぺらぺら)に近づくことが出来るツールであることは間違いないのでご紹介します。

オンライン英会話意識するポイント

  • 自分に合ったサービスを選ぶ
  • 目的を持ってレッスンに臨む
  • 継続を習慣化する

まず、世の中には無数にオンライン英会話のサービスがありふれていますので、ご自身にフィットするサービスを選ぶことが大切です。

とは言っても、(矛盾するようですが、)どのサービスも本質は同じだと私は思っていますので、選んだら早速レッスンに臨みましょう。

その際、闇雲にレッスンを受講し、英語話している感を味わう(自己満足)だけでは勿体ないですし、実力UPは見込めません。

  • テーマ設定:用意されたカリキュラムの中で何を選ぶか、又はフリートークでどの題材にするか
  • レッスンを通じて何を学びたいか:文法の矯正orネイティブらしい表現かチェックor異文化交流
  • レッスン内の目標:新たに習得した英単語やフレーズを10個使う等

例えば上記のようなポイントを押さえておくことで効率的で有意義な時間にすることができると思います。

STEP5:添削・チェックで「伝わる表現」へアップデート

メモ

  • ChatGPTなどのAIやオンライン添削ツールを活用
  • 自分の英語を第三者目線で確認し、癖やミスに気づく
  • 例:「I was tired, so I back home early.」→「I was tired, so I went home early.」
  • コミュニティや仲間がいると継続率UP

効果:英語表現の“改善力”を高める=伝わる精度が上がる

STEP5では、レビューやモチベーション維持の観点を取り上げています。

このステップに限ったことではないので、適宜各ステップ内でのレビューと重複する部分もあるかとは思いますが、STEP4で実際のアウトプット学習をした後にやりっ放しにしないようにするという意味も込めています。

やはり、何か新しいことを始める・学ぶという際には間違いは必ず発生します。
それは失敗ではなく、成長に繋がる貴重な気づきなので放っておかずに拾うことが成長へと確実に結びつきます。

振り返る手段は様々でしょう。

  • 録音、録画
  • AIツール
  • オンライン英会話の講師からの指摘
  • (SNSにアップロードしていれば、)フォロワーさん等からのフィードバック

また、ミスの発見以外にもモチベーションの維持という観点でもお伝えさせて下さい。

英語学習は非常に地道な積み上げのもとで出来上がっていると考えています。

英単語・フレーズ、英文法、発音、英語日記、ひとり言等々どれをとってもコツコツと継続した学習が必要なものばかりです。

一方で、学生の方や社会人の方にとって1人で続けるということは非常にハードルが高く、実際に私も何度も挫折してきました。

やる気はあるけれど、どのように学習したらいいか分からない」「英語ぺらぺらになりたいけど、アウトプットを習慣化して継続して学習できる環境がほしい」そんな悩みや希望を抱える方と一緒に、英語で夢を実現できる場所を作りたいと私は考えています。

本サイトとSNSで発信していますので、一致団結してSTEP by STEPで学習を継続していきましょう。

 

まとめ 英語ぺらぺらへは「正しいやり方」で「継続を習慣化」

大学受験を乗り切ったりTOEIC600〜800点を取ったりしているあなたには、英語の基礎力はすでにあります。 必要なのは、それを「使える力」に変えるための手順と習慣です。

ポイント

  • 日本語を介さずに考える土台を作る(準備編)
  • 毎日の小さなアウトプットを積み上げる(STEP1〜4)
  • 仲間と一緒に継続する

母国語以外の話者も多くいる英語は「話せるようになるための型」があります。

今日から一歩踏み出せば、数ヶ月後には「英語で話せる私」がきっと待っています。

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